現金過不足の仕訳って
「何をやっているの?」
「どんな状態なの?」
「理解できない・・・」
など苦手と感じる人は多いです。
この記事の目次
「現金過不足」はどういうときに使う?
解き方のコツは「現金過不足」はどういうときに使う仕訳なのかを知ること!
- 実際の現金と帳簿の金額に差異が発生し原因がわからない場合
- 原因が判明した場合
- 決算のときに「現金過不足」が残っている場合
この3つの場面で現金過不足の仕訳が必要になります。
実際と帳簿の金額に差異が発生し原因がわからない
「現金過不足」は実際の現金の金額と帳簿の「現金」科目の金額に差異が発生し、原因がわからないときに使います。
簿記はお金の流れを記録しているにすぎないので、実際と帳簿の金額は一致するはずです。
しかし記録するのを忘れいたり、誤った金額で記帳していた場合などが原因で実際の金額と帳簿の金額に差異が発生してしまうこともあります。
差異に気づいた時点ですぐに原因がわかればいいのですが、すぐにわからないこともあります。
とりあえず原因がわかるまでは一旦、保留にするときに使うのが「現金過不足」です。
「原因がわからないならそのままにすれば?」と思うかもしれませんが、本来なら実際と帳簿の金額は一致していなければいけません。
にも関わらず一致していないことに気づきながらも何もせずに放っておくわけにはいかないのです。
帳簿の「現金」科目の金額を実際の現金額に合わせる仕訳が必要です。
▼ 「実際有高 > 帳簿残高」 の場合▼
実際有高 4,000円 帳簿残高 3,000円
帳簿残高3,000円を実際有高4,000円に合わせるには、帳簿上の現金を1,000円増やす
「資産」項目の増加 ⇒ 「借方」に現金
借方 | 貸方 |
現金 1,000 | 現金過不足 1,000 |
▼ 「実際有高 < 帳簿残高」の場合 ▼
実際有高 3,000円 帳簿残高 5,000円
帳簿残高5,000円を実際有高3,000円に合わせるには、帳簿上の現金を2,000円減らす
「資産」項目の減少 ⇒ 「貸方」に現金
借方 | 貸方 |
現金過不足 2,000 | 現金 2,000 |
原因が判明した場合
現金過不足の原因がわかった場合にも仕訳が必要です。
仕訳のコツは判明した原因を基準に考えることです。
例えば・・・
(原因) 通信費500円を支払ったことを記録し忘れていた
通信費を払った ⇒ 「費用」項目の増加 ⇒ 「借方」に通信費
空いたところに現金過不足勘定を入れる。
借方 | 貸方 |
通信費 500 | 現金過不足 500 |
決算のときに「現金過不足」が残っている場合
期末に「現金過不足」がある場合は、原因を詳細に調べます。調べた結果、原因がわからないことがあります。
そのときは「現金過不足」を雑損か雑益に振替る仕訳が必要です。
なぜなら「現金過不足」は一旦保留にするためのメモ書きのような仮科目なので、貸借対照表や損益計算書には「現金過不足」を記載する場所はありません。
そのため決算をする際は「現金過不足」を0にし、他の科目を利用して決算書に反映させる必要があります。
「現金過不足」の残額を雑損または雑益に振替ることで「現金過不足」が0になり、雑損または雑益で決算書に反映させることができます。
現金過不足の金額が借方に残っているのか貸方に残っているのかで仕訳が異なります。
▼ 現金過不足が借方に1,000円残っている場合 ▼
借方 | 貸方 |
雑損 1,000 | 現金過不足 1,000 |
▼ 現金過不足が貸方に1,000円残っている場合 ▼
借方 | 貸方 |
現金過不足 1,000 | 雑益 1,000 |
振替仕訳をすることで現金過不足勘定の残高は0円になります。
まとめ
「現金過不足」を使う流れは
① 実際の現金と帳簿の金額が一致してない!原因も不明 → とりあえず現金の金額を一致させる
「現金/現金過不足」または「現金過不足/現金」
② 現金過不足の原因が判明した → 判明した原因を仕訳する
「〇〇/現金過不足」または「現金過不足/〇〇」
③ 決算になっても原因が判明しなかった → 残りの現金過不足を雑損または雑益に振替
「雑損/現金過不足」または「現金過不足/雑益」
これが「現金過不足」の基本的な流れです。
実際の試験問題では、原因がいくつも判明したり、訂正仕訳が必要だったりと問題のレベルがあがります。
基本の流れをしっかりとおさえた上で、応用問題にチャレンジしていきましょう。